誰でも簡単においしく作れるカレーですが、作りたてよりも一晩寝かせた後の2日目のカレーが美味しいと感じたことはありませんか?ひと晩寝かせた翌日のカレーは、口当たりがなんだか違います。
そのおいしさにはちゃんと理由があります。どうして一晩ねかせたカレーは美味しくなるのでしょうか?
2日目のカレーが美味しいワケ
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科学的な研究が積極的に始められたのは最近のことですが、寝かせることによって味が異なるように感じられるのは確かなようです。
1.味が馴染む
具材にソースの味がしみ込んだり、逆に具材の味がソースにしみ出したりして、具材とスパイス、そして調味料の味・香りが渾然と混じり合い、馴染んでいきます。
2.コクが生まれる
肉・野菜・香辛料に含まれる糖質やタンパク質、アミノ酸などの成分が微妙に絡みあうことで、独特の「コク」が生まれます。
3.じゃがいもが溶ける
再加熱することでじゃがいもが煮崩れしてソースに溶け出し、スパイス感や辛味、塩味がおさえられ、味がまろやかになります。
4.熟成される
ブイヨンも一晩ねかせることで「冷ます」と「温める」が繰り返されて、素材の旨み成分がよく混ざりあい、熟成が進みます。
インドカレーは美味しくならない?
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カレーに含まれるスパイスの中には、熱を加えることによって香りが損なわれてしまうものもあります。インドカレーはスパイスが命なので、一晩寝かせてスパイスが飛んでしまうと美味しくありません。
スパイス本来のシャープな香りをカレーに求める方は、「2日目のカレーの美味しさ」がピンとこないかもしれません。
食中毒には注意
常温で鍋に入れたまま一晩寝かせたカレーには、熱に強い菌が発生する場合があります。
加熱すると熱に弱い細菌などは死滅しますが、熱に強い芽胞の状態の菌は生き残ります。常温で放置していると、温度が下がってきたとき、芽胞状態から通常の状態に戻った菌が急速に増えてしまうのです。
おすすめの保存方法
おいしく保存するポイントは、「短時間で冷ます」ことです。素早く冷却すると、菌の増殖が抑えられます。
カレーは、ドロッとしているので、外側が冷めていても、中は冷めにくくなります。カレーが残ったときには、できるだけ広く平らな器に薄く広げて粗熱をとり、冷蔵庫に入れましょう。
または、プラスチック容器などに小分けして、冷蔵庫に入れてください。小さなプラスチック容器に小分けすると素早く冷却されます。